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今年も沖縄 ~ 2024,AUG


昨年のお盆weekは沖縄に5つある百名城・続百名城を駆け巡りましたが、今年はどうしようか余り頭の整理もせず北端の辺戸岬に参りました。宿を取った名護の近辺から北へ60km程度車で走り向かいます。岬からは25km離れた与論島が薄っすらと見えます。ここから鹿児島まで5~600km程の距離ですが、台湾まで延々と繋がる南西諸島の丁度真ん中に来た事になります。 



沖縄に来るとやたら石灰岩を見かけます。南の島だから(珊瑚の化石である)石灰岩が沢山あるのは当たり前だろうと言われそうですが、この島は北と南で時代背景が違います。最近起こった宮崎の地震で又ぞろ南海トラフ大地震の警鐘を鳴らされてますが、基本的には日本列島を下からぐいぐい押してるフィリピン海プレートの影響であり、沖縄を含む南西諸島も同じリスクを抱えてます。








日本列島の形成は3千万年前から始まったと言われてますが、本土も沖縄の島々も共通しているのはユーラシア大陸の東縁部に元々属してた陸塊と、東からどんどん押してくるフィリピン海プレートが運んでくる地層、そしてその間に現地で形成される地層が混在してます。沖縄の場合、北にある石灰岩は中生代・古生代(2~3億年前)のものが多く、これらは遥か遠くの海から運ばれフィリピン海プレートが沈み込む時に剝がされて陸塊(付加体と呼ばれます)の一部として少しづつ蓄積されたものになります。一方南にあるものは非常に新しく、せいぜい数十万年前に沖縄近辺が珊瑚の生育に適した環境になってから育ったものになります。珊瑚は太陽光が届く浅い、温かい海でしか育たないですが、所謂白色の琉球石灰岩は沖縄本島の南部がそうした環境になった事によります。 


昨年歩き回った城(グスク)の中で、北方に位置する今帰仁城(なきにんじょう)の石垣は黒っぽく硬いですが、上記古生代の石灰岩に由来します。硬くて加工も大変なので、大小様々な形を巧みに組み合わせ、小石を挟みながら強度を確保する野面積みで城を造ってます。







一方、南の城に行くと、白くて加工し易い石灰岩を使えるので、石の接地面の隙間が無くなる布積みや相方積みといった石垣になります。

 








辺戸岬に向かう道路は延々と海岸線を走りますが、プレートに乗って運ばれてきた岩石を見ながら地球史を眺める旅になります。石灰岩は酸性の雨に弱いので長い時間をかけて様々な造形を作りますが、秋吉台も凄いですがこちらも見事ですね。 






大石林山(だいせきりんざん)は有料でカルスト台地の中を歩かせてもらえる施設ですが、3年前に菅前首相も訪れたようです。

 








去年は台風の合間を掻い潜って無事往復できましたが、今年は急に現れた台風七号で帰便がキャンセルとなり伊丹で降りて一泊する事になりました。怪我の功名で、中ノ島美術館で開催中の醍醐寺国宝展をゆっくり堪能できました。夏の沖縄はやはり台風リスク大きいですね。次回は季節を変えたいと思います。

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