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バージェス 2014年9月


日本史ではなく地球史の話です。かつて豊富な埋蔵量を誇るカナダのシェールガスを、太平洋を越えてLNGで輸出しようというプロジェクトに携わってました。

我々の拠点はカルガリーに有りましたが、近隣には有名なリゾート地バンフがあります。そこからレイクルイーズ経由数時間山を登り、カンブリア紀(古生代)に多様な生物が出現した事を証明したバージェス山に向かいます。

現地駐在員の仲間達17-8名のミッションでしたが、快晴に恵まれ落伍者も無く、絶景と数億年前の多くの化石に出会えた想い出深い旅でした。


バージェス山は現在緯度50度を超える高緯度に位置していますが、カンブリア紀の化石が生きていた5億年余り前は、赤道近辺にあり温かい浅い海の底でした。化石が含まれている岩石は頁岩(シェール・ロック)という粒径が非常に細かい堆積岩であり、海岸線に近い浅瀬の海で酸素濃度が低い環境下で生成されます。右図ではシリウスパセットといエリアになりますがこれらの大陸はその後3億年かけて北米・欧州を併せた大陸となり北上を続けます。


中生代に入り(左図)北米と欧州は分裂し徐々に東西に離れていき現在の世界地図に近づいていく事になります。








バージェスを載せた北米プレートは、1億5千万年前くらいから太平洋プレートにより西から圧迫され、ロッキー山脈を含めた西海岸の山脈と一緒に上に押し上げられた為、今日我々は5億年前暖かい海の底で形成された堆積岩を標高2500メートルを超える山で見る事ができます。各時代の珍しい生物の絵図は、土屋健先生の本がこの数年多数出ているので、ご興味のある方はご覧になってください。



山道を歩いているとあちこちに見慣れた三葉虫の化石が転がっていますが、手に取るくらいはいいとして、持ち帰ると大罰金が課せられます(たしか200万カナダドル)。








カンブリア爆発とは、5億3-4千万年前の古生代の海に、一気に多様な生物が現れた事象をいいます。奇々怪々な生物が多いですが、今日見られる動物の系統が殆ど出揃ったと言われています。








5億年以上眠っていた化石達。



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