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沖縄の百名城 2023年8月


百名城めぐりのスタンプを集めてらっしゃる方は多いと思います。私もこれまで半分くらいは足を運んでいると思いますが、スタンプを押し始めたのがつい最近で、積極的に押す機会見つけては楽しんでいる次第です。

家族旅行で沖縄に行くこととなりリゾートホテルに癒されにいったわけですが、実態は結構忙しくレンタカーを乗り回し百名城3つ(首里城、今帰仁城、中城城)、続百名城2つ(座喜味城、勝連城)に浦添城を加え計6城を見て回りました。

平和な島のイメージが有りましたが、島全体に石灰岩(元サンゴ礁)を切り出し積まれた多くの城(グスク)があります。加工しやすい岩であり、石垣は独特の曲線で出来た造形美と色調を持ち、沖縄の海と空の色によく映えます。

これまで余り沖縄史については学んだ事は無かったですが、3つのマイルストーン~尚巴志による三山統一(1416)、薩摩の侵攻(1609)、琉球処分(1871)を軸に頭の整理をしていこうと思います。


① 今帰仁城

北山王の居城で12-3世紀頃の築城との事ですが、沖縄の城の中では最大級(37千m3)で首里城の7掛け程度の規模になります。尚巴志は最後に当城を落として琉球統一を果たしますが、やはりそれだけの国力や用兵能力が有った勢力だったのでしょう。

明の始祖洪武帝(在位:1368-1398)期に北山の朝貢と城の事が書かれてあるようです。中国も朝鮮も明と李氏朝鮮という新王朝が誕生し、日本も南北朝統一が漸くなされ、やがて15世紀に入ると足利義満の日明貿易の時代、明は永楽帝による鄭和の大遠征が始まります。


新王朝や新体制の中で東アジアの海域で貿易が活発化し、自ずと沖縄もそうした時流に乗るべく統一事業が進められたという解釈になるでしょうか。

統一後も沖縄北部の統治拠点として活用されていましたが、薩摩侵攻では最初の攻撃対象になりました。





② 座喜味城

太平洋戦争の激戦地の一つで、日本軍の高射砲基地が有った為米軍に壊滅させられましたが、戦後今度は米軍のナイキ基地となります。74年に返還され発掘・整備が進みました。







③ 中城城

沖縄統一史のヒーローは、北山王の血統を持つ護佐丸で、現地に行くとゆるキャラの護佐丸をあちこち見かけます。彼は尚巴志に従い今帰仁城を落とし、座喜味城、中城城を作り統一後北山エリアの統治の安定に貢献しますが、ライバルの阿麻和利の讒言にあり当地で自害しました。1853年ペリーがこの地を訪れ、建設技術の高さに感嘆したそうです。アーチ門は見事ですね。



④ 勝連城

非道な茂知附按司を殺して城を乗っ取ったのが上記阿麻和利(あまわり)になりますが、隣接する“あまわりパーク”と呼ばれるミュージアムでは、ヒーローは護佐丸でなく、“阿麻和利”一色でした。

城は高台にそびえており、麓には中腹まで運んでくれる電気カート送迎サービスが有りました。ここも貿易港として栄えた場所らしく、琉球王朝により編纂された『おもろさうし』という歌集には、“大和や鎌倉のごとし”と詠まれた程繁栄していたようです。

阿麻和利は護佐丸を滅ぼした後、余勢を駆って尚泰久王を討って琉球王になろうとしますが結局滅ぼされました。勝連の人々は、本当は勝連城が首里城になっていたのにと思っているのでしょう。


⑤ 浦添城

元は為朝伝説のある中山王舜天王の御城と言われてます。源為朝は12世紀の保元の乱後伊豆大島に流され、流刑地でも大暴れするヒーローですが、その後沖縄まで逃げて大里按司の妹と結ばれ舜天を授かるというストーリーになります。義経のジンギスカン説と比べてはいけませんが、琉球王朝の正史(中山正譜)に載っている程なので無視できない説とも言えます。荒唐無稽、薩摩のプレッシャーと否定するものや薩摩侵攻以前から有った話だと見解は分かれるようです。科学的にはDNAの分析から宮古島の遺跡から出た人骨は100%縄文人とするものや、沖縄に農耕目的で人が住みだしたのは10世紀以降で本土から移住が進んだとの学説もあり、少なくとも本土との人の往来や移住は千年単位で普通に続いていたとみるのが正しいと思います。日本は火山国で酸性度が高く過去の遺物が溶けやすく残りにくいと言われますが、固定観念に囚われず、伝説と科学が相俟って過去が解明されていく時代になってきました。


⑥ 首里城

さて首里城です。2019年の火災は本当に残念な事でした。沖縄戦における激しい戦闘で多くの遺物が破壊され、宝物は略奪されてしまいましたが、今回焼失した正殿は戦争で喪失した建造物をやっと1992年に復古させたものでした。1709年に焼失し再建たときのものを再現したそうですが、当時も木材が不足し薩摩藩が2万本の木を調達したようです。我が国は威信にかけて再建を果たさねばなりません。

今回建設中でしたが、2026年復活するようです。楽しみですね。




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